2012年 10月 21日
アルメニアから国境を越えていざイランに入国。 イランは只今ハイパーインフレ中。 欧米の経済制裁のおかげで外貨不足になって、イランの通貨(リアル)が暴落。 その分物価もどんどん上がっているんだけど、イランリアルの下落に追いつかない。 イランの人達にはとっても申し訳ないけど、外国からの旅行者にとってはかなり嬉しい状態。 正規のレートがUS$1=12,000とか13,000リアルなのに対して、実際に両替されてる実質レートが今、US$1=35,000リアル。 つまり、本来なら$1をリアルに両替すると13,000リアルしかもらえないのに、今は35,00リアルももらえちゃう。 単純にリアルの価値が3分の1になったとして、ドル換算すると、今まで$30ドルだったものが$10ドルで買えてしまう。 まさに買い物天国。 円換算すると、今、宿代が200円弱。 2時間ちかくタクシーに乗って100円ちょっと。 10時間のVIPバスに乗って300円弱。 こんな具合に、とにかく旅行者にとってはウハウハな状態。 そんな中でさらにCouchSurfingという有難いシステムを駆使し、ほとんどお金を使わない旅ができている今のイランです。 CouchSurfingはその名の通り、カウチ(ソファー)をサーフィンするんです。 簡単に言うと、お宅のソファーでいいからタダで泊まらせてください~、って感じの代物。 いついつどこどこに行くから、誰か泊めてくださいーってポストすると、それに対して、うちに泊まりにきていいよーって返事が返ってくるシステム。 登録はもう何年か前にしてたけど、実際カウチサーフィンをしたのは今回が初めて。 イランを旅してきた人に、イランはカウチサーフィンがオススメ!って言われて。 外食をすると、あんまり選択肢がない(ケバブとかケバブとかケバブとか)イランだけど、家庭料理は野菜もたくさんでめちゃめちゃ美味しい!と絶賛してた。 そんな、タダで泊まれて美味しいご飯までついてくるなんて、やるしかないじゃないか。 ということで、初カウチサーフィンinイラン! Day1 アルメニアとの国境から40キロの町ジョルファJolfa。 国境からタクシーに乗り、ジョルファ到着直前に、タクシーの運ちゃん(若いお兄さん、絶対ウチより若い)の携帯を借りてホストに名乗り出てくれたハッサンに電話。 …繋がらない。 番号が間違ってるらしい。 ピーンチ。 唯一の連絡手段がいきなり絶たれた。 とにかく連絡しなければ。 ネットカフェでメールをチェックすれば正しい番号がわかるはず!と、運ちゃんにネットカフェに連れてってもらう。 が、ネットが非常に遅い。 全然ページが開かない。 10分ほど経過。 と、そこに1人の若者現る。 Hi, are you Aya? I'm Hassan. どうしてあなたはワタシの名前を知ってるの?そしてハッサンって今ウチが必死に調べてる番号の持ち主なんですけど。 一瞬意味がわからずフリーズ。 どうにか状況は飲み込めた。 とにかく、ホストしてくれるハッサンに会うことができたという事実。 まだ頭が???だらけな状態でLet's go!と言われあたふたとネット屋を後に。 さらっとネット代を払ってくれるタクシーの運ちゃん。 払うよって言っても、いいからいいからって。 ハッサンの車に乗り込みいざハッサン宅へ。 道中ハッサンに事情を聞いた。 どうやら、うちが、電話番号を、日本で言うところの090とか080の部分をすっぽり書き忘れてたようで、それに気付いた運ちゃんが、片っ端から思いつく番号に電話をかけまくってくれたらしい。 おかげで魔法のように、目の前にハッサンが現れた。 イラン入国初日から、イラン人の親切に触れて感動するウチ。 ハッサン宅では夕ご飯をもらい、簡単なペルシャ語を教えてもらったりもした。 翌朝、タクシー乗り場まで連れてってもらい、いざ、タブリーズTabrizへ。 Day2 タブリーズに到着後、ここでのホストに連絡。 あいにく彼は大学にいて、今は迎えにいけないから代わりに友達が迎えに行くよ、との事。 友達が来てくれて、彼の寮へ。 ご飯をごちそうになった後、彼も大学に行かなければいけないって事で、ホストが学校が終わるまで公園で待つことに。 カウチサーフィンをするのに必要不可欠なもの、それは携帯電話。 という事で、ホストを待つ間にイランのシムカードを買いに行く事に。 が、見つからない。 全然見つからない。 諦めかけた時、英語がペラペラの青年登場。彼の名はエリアル。 どうしたの? シムカードを買いたいんだけど見つからなくて。 僕が連れてってあげるよ。 ってな具合でお言葉に甘えて連れて行ってもらう。 それでも店が閉まってたり、売ってなかったりでなかなか見つからず、こっちはもういいや、と諦めかけてるのに、大丈夫、僕が見つけてあげるから心配しないで、とエリアル。 ようやくシムカードを見つけたんだけど、今度は別のとこに行って登録しなきゃいけない。 そこにも一緒に行ってくれて、登録も全部やってくれた。 彼がいなければ何にもできなかった。 道すがら事情を説明すると、その人が来るまで僕のオフィスで待ってるといいよ、となんとも有難いお誘い。 またしてもお言葉に甘えて、でっかいバックパックを背負ったまま、彼のオフィスへ。 見た目は大学生みたいなのに、実は26歳、バリバリのウェブデザインのオフィスマネージャー。 ま、スタッフは彼をいれて2人だけど。 ホストに連絡を入れたけど、電話がつながらない。 しばらくしてかけてもまた繋がらない。 ちょっと心配になってきた。 今夜の宿がない…。 と、青年エリアルの仏のような一声。 うちに泊まりに来ればいいよ。 なんと!そこまでしてくれるのかい、君は! 道端でたまたま会った小汚い日本人旅行者にそこまで親切にしてくれるのかい、君は。 とにかく、もうちょっと粘ってみて、ダメだったら、三度、お言葉に甘えよう。 結局最後までホストと連絡が取れず、エリアルの家にお邪魔する事に。 道中、一番美味しいとエリアルオススメのジュース屋で、激ウマなメロンジュースをごちそうになり、いざ、彼の家へ。 超豪華なアパート。 そしてステキな笑顔で迎えてくれるエリアル母。 しばらくして、エリアル父とエリアル弟も帰って来て、みんなで夕ご飯。 ウマイ!美味すぎる!エリアル母の手料理の美味さに感激。 お母さんは英語がほとんど喋れなくて、ちゃんとコミュニケーションが取れなかったけど、とにかく超親切にしてくれた。 エリアルも、エリアルの家族も、こんな素性も知れない旅人をここまで温かく迎えてくれることに心から感激した。 話には聞いてたけど、イラン人は超親切って聞いてたけど、実際それを体験してみると、ホントに驚く。 凄いぞ、イラン人! なんてステキな人達なんだ! Day3 朝、別れを惜しみつつ、エリアル宅をおいとまして、またしてもエリアルのオフィスへ。 夜行バスのチケットを買ったので、出発までオフィスに荷物を置かせてもらう。 午前中、近場の見所をエリアルが案内してくれた。 お昼からアポイントメントがあるって事で、途中で一旦サヨナラして、市内観光。 タブリーズには世界遺産のバザールがある。 歴史のある古いバザール。 バザールの中にはモスクもある。 賑わうバザール。衣料品から食料品からなんでも売ってます。小売から問屋まで。 そしてイランと言えば、ペルシャ絨毯! これも絨毯。 天井からぶら下がるランプも可愛くていい味出してた。 貴金属売り場は眩しかった。 バザールで会った笑顔のステキなおじさん。 色々教えてくれた物知りおじさん。昔は歴史の先生で、今は古いコインなんかをこのバザールで売ってる。 夕方エリアルのオフィスに戻ると、満面の笑みの女性が。 あ!お母さん!! たまたま用事で出て来てたのか、はたまたもしかしたら見送りに来てくれたのか。 あの笑顔が、いきなり泊まりに来た外国人をすこしも迷惑に思わず、心から歓迎してくれたことを再確認させてくれた。 泣けるよ。ウルルンですよ。 夜、お世話になりまくったエリアルともお別れをして、バスターミナルへ。 イラン3都市目のラシュトへ。 Day4 早朝、ラシュトRashtに到着。 まだ7時前だというのに、ここでのホスト、マシーと仕事仲間のファルシャがバスターミナルまで迎えにきてくれた。 どうやら朝6時から仕事をしてて、わざわざ抜けて来てくれたらしい。 これからまだ仕事なので、荷物を家に置かせてもらってから、観光へ。 目的地はラシュトの近くのマースーレー、世界遺産らしい。 マースーレー行きのバスターミナルまで送ってもらって、マシーは仕事に戻って行った。 マースーレーは山の斜面にある村で、段々畑みたいに家が並んでるから、屋根がその上の段の家の通路になってる。 んー説明がなんとも難しい。 とにかく家の屋根を人が普通に歩いてる面白い村なんです。 朝早くに着いたから観光客も少なくて、お土産屋も程よく開いてる感じでいい雰囲気だった。 ラシュトへの帰り道、途中のフーマンという町でバスを乗り換えないといけないんだけど、そこの名物のスウィーツがあるという事で、それを買いに行った。 たまたま目に入ったお店へ。 お店のお兄さんがどっから来たの?と聞くからJAPANだよって答えると、ちょうど前に並んでたおじさんがいきなり日本語で「え!日本人ですか!?」って。 こっちもびっくりしながら「はい、日本人です」って答えると、彼は「今、お母さんが来てます!」と道に止まってる車を指差す。 見ると助手席に日本人の女性が。 「あ、どうもーこんにちはー」なんて超普通な挨拶をする。 この日本語ペラペラなイラン人、奥さんが日本人で、どうやらこっちに住んでるみたい。 赤ちゃんが生まれたばっかりで、奥さんのお母さんが、日本から孫の顔を見に来てた。 こんなバスの乗り継ぎがなければ立ち寄る事のない町で、更に数分ずれてたら会うこともなかったこの家族。 ほんのちょっと話しただけだったけど、ちゃっかり名物のスウィーツもおごってもらって、偶然の出会いを楽しんだ。 夕方、マシーの仕事が終わってから合流、まずドライブをしてから、超美味しいアイスクリーム屋さんへ。 イランのアイスのレベルに感激。 それからマシーの実家にお邪魔した。 この日泊めてもらうのはマシーが最近買ったばかりの一軒家。 でもお母さんが是非とも会いたいと言ってくれて、実家のほうにちょっとお邪魔することになった。 お母さんは科学の先生。 建築を勉強中の妹も一緒に、とっても歓迎してくれた。 みんなそこそこ英語が喋れたので、いろんな話ができた。 が、その後の予定がつまっていたので、マシーにせかされ早々においとま。 売れっ子芸能人の分刻みのスケジュールのような一瞬の訪問だったけど、ラシュトにまた来る事があったらうちに来てね、ってかまた絶対に来てね!って感じでお別れ。 最後に、お母さんと妹と一緒に記念撮影。 それからマシーの友達のイケイケお姉さん二人と合流して、夜のちょいワルなシーシャ屋さんへ。 シーシャ初体験。 シーシャ(ハーバル・バブル)。 フルーツなんかのフレイバーの付いたタバコを水パイプで吸うんだけど、これがうまい! かなりお気に入りです。 次の日、早く起きれたら、一緒に乗馬に行こう!と約束したものの、夜行バスからの1日中観光の疲れで起きれず…。 結局乗馬は中止、そのままバスターミナルへ送ってもらい、マシーともお別れ。 マシーもとってもいい人だった。 Day5 この日はテヘランへ移動。 ちょっとカウチサーフィンはお休みして、宿へ。 なんだかんだで、やっぱり人のオタクにお邪魔するのは気を遣ったり、自分のペースで動けなかったりで疲れちゃったりするので、たまには休憩が必要。 でもここではカウチサーフィンで知り合った、折り紙の先生をしてるアリと市内観光へ。 泊めてくれるホストだけじゃなくて、泊めてはあげられないけど、いろいろ案内してあげるよ、とか一緒にご飯でも食べようっていうお誘いがあるのもカウチサーフィンのいいところ。 地元の人と簡単に知り合いになれるのはとっても嬉しい。 色んな話も聞けるしね。 彼は子供のとき6年間日本に住んでたらしくて日本語も少しわかるし、英語も完璧。 バザールや博物館を案内してもらった。 折り紙を仕事にしてるイラン人というのもなんとも興味深い。 いろんな話が聞けておもしろかった。 こんな感じでイランの旅、最初からかなり満喫してます。 毎日毎日、イラン人の優しさに触れ、感激しまくってます。 誰かが、「町を歩いてと、1日に、50人の人が笑顔でHello!と声をかけてくれる。30人の人がWelcome to Iran!と言ってくれる。10人の人がお茶や食事に誘ってくれる。5人の人が家に招待してくれる。」と言ってた。 あながち、大げさな話じゃない。 本当にそんな感じ。 道に立ち止まっていればどうしたの?と声をかけてくれる。 道を聞け連れてってくれる。 バスに乗れば何個目で降りればいいか教えてくれる。 チケットの買い方を聞けば、買ってくれて、お金はいいよと言って去っていく。 泊まるところがなければ泊めてくれる。 いつでも誰かが必ず助けてくれる。 なんだか凄いとこです、イラン。 まだ1週間経ってないけど、イランが大好きになりました。 明日、超デラックスVIP夜行バスでマシュハドに向かいます。 イランリアルの暴落のおかげで、とにかくなんでも格安なイランの旅。 こんな時じゃないとできない、贅沢。 いっちばん高い最高級バスに乗ってみます(笑)。 それでも12時間のバス旅で600円弱。 VIVAイラン!!
by aya-papaya
| 2012-10-21 06:30
| イラン
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